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「体内時計」

「体内時計」

わたしたちが持っている「体内時計」は、わたしたちの健康に大きくかかわっています。 

 

わたしたちのからだは、およそ24時間の周期で動いたり休んだりしています。これを「サーカディアンリズム」と呼びます。 

 

体内時計の存在は、およそ50年前に発見されました。「サーカディアン」はその時の造語で、ラテン語の「サーク(おおよそ)」と「ディアン(一日)」がもとです。直訳では「概日」ともいいます。 

 

わたしたちヒトだけでなく地球上の生物の多くに、「だいたい一日周期」のサーカディアンリズムが備わっていると言われています。生命が35億年にわたって進化と淘汰・絶滅を繰り返すうちに、地球の自転周期にあわせて体内活動を一巡できる生物が生き残り、今日にいたったものと考えられます。 

 体内時計

人類はこの100年ほどの間に、急速に都市化が進み、長距離移動能力も異次元に高まりました。このため現代の生活は、わたしたちの体内時計をくるわせる原因だらけということになりました。夜間シフトワーク・徹夜での仕事や勉強・会食などのおつきあい・海外出張や旅行、そして海外スポーツイベントのライブ視聴などなど。文明が発達したからといって、DNAに刻まれたサーカディアンリズムがすぐに変わるはずがありません。 

 

体内時計に逆らうことは、いわばヒトの生物としての進化に逆らうことなのです!体内時計に従わない不規則な生活は、ほんとうに体によくありません。具体的には、うつ病・アレルギー・肥満・糖尿病・睡眠障害・さらにはがんの発症につながると考えられています。そしてもちろん、皮膚の美容にもたいへんな悪影響をおよぼすのです。 

 体内時計

 

では、その皮膚の健康にフォーカスして、体内時計の説明をしていきましょう。まず、体内時計には「親時計」と「子時計」があります。「親時計」は脳の視床下部というところにあって、これが全身の細胞の「子時計」を指揮しています。 

 

そしてこの「子時計」は、皮膚の細胞にも仕込まれており、脳の「親時計」に同調して24時間のリズムを刻みます。つまり皮膚は、たんに体を覆っているだけではなく、1日周期で働き方が変わっているのです。 

 

まず昼間には、皮膚はしっかりからだをバリアしようとします。紫外線(UV)などのさまざまな刺激に対抗するため、皮脂産生を活発にして、皮膚を厚くします。いっぽうで細胞の増殖を抑制します。昼間に新しい細胞ができても紫外線に破壊されやすいからです。さらにpH値を高くして、屋外活動で出会うバクテリアへの対策をします。 

 

そして夜間。皮膚は、昼間に蓄積したダメージを排除するために、オートファージ―(自食作用)機能を活性化させます。昼間に抑制していた細胞増殖も活発にして、昼間に傷んだDNAの修復も進めます。皮膚の血流・アミノ酸含有・経皮水分蒸散量は、夜間にピークに達します。コラーゲン生成・表皮のロリクリン・フィラグリン発現も夜間に増えるのです。 

 

皮膚の「子時計」は、昼間は防衛力に徹し、夜は修復と増強に集中するために働いているわけですね。ですが、この体内時計が実際の時刻と離れてしまうと、どうなるでしょう?たとえば、時差のあるハワイに飛び、昼夜逆転状態で空港からそのままビーチに直行したとしましょう。体内時計は「いま夜中だ」と思って皮膚の増幅に集中し、その分防衛が手薄なところで、ワイキキのUVをめいっぱい浴びることになります!無防備な肌はものすごく強く日焼けのダメージをうけ、さらにできたての皮膚が傷むことで回復も遅くなるのです。 

 

体内時計と紫外線

 

上記のとおり、夜は皮膚の修復と増強の時間です。だからよく眠ることが肌にとって大切なのです。ベストな睡眠時間はひとそれぞれともいわれ、ショートスリーパーの方もおられますが、皮膚に関していえば成人でやはりだいたい7時間くらいは必要と考えられています。時間もさりながら、時刻がたいせつなのです。皮膚の「子時計」のために、同じ時刻に就寝し、同じ時刻に起床する。そのリズムがとても重要なのです(※)。 

※熟睡できているかとか、夜間覚醒の問題はいったんおいておく 

 

ベッドに入る時刻とベッドから起床する時刻を維持することに意味があり、入眠と覚醒の時刻に固執する必要はありません。加齢により、入眠から覚醒までの時間は短くなりますからね。ただし決まった時刻にベッドに入っても、スマホなどのブルーライトを見てしまうと、それは体内時計的にはベッドにいることにはなりません!つまり「夜、きまった時刻に、スマホを見るのをやめること」「夜中に目覚めても、スマホを見ないこと」、そうご自分でルール化してください。 

 

そして起床したら、日光を浴びましょう。ヒトは朝、光(とくにブルーライト)を浴びることで、体内時計を調整します。この調整を朝やらないと、体内時計は1日でほぼ1時間遅れると言われています。冬季、夜明けが遅くなり天候も悪くなると、うつ症状が出る方がいるのはこのためです。 

 

朝、そして日中に光をしっかり浴びておくと、夜のメラトニン分泌量が多くなると考えられています。メラトニンはあらゆる組織の健康に影響する重要なホルモンですが、とくに夜に眠気を感じさせる働きがあります。光によって分泌が抑えられるので、日中はしっかり明るいところで行動しておいて、就寝時に寝室を真っ暗にして一気にメラトニンを分泌させましょう。スマホやテレビのつけっぱなしはNG、遮光カーテンを閉じて外の光をシャットアウトします。 

食事の時刻もできるかぎり定刻にしましょう。なかでも、朝食の時刻を固定することがとても重要です。そして、夜食はサーカディアンリズムを著しく乱しますから避けましょう。上記のハワイ旅行と同じように、夜食によって皮膚が夜と昼がわからなくなり、翌日の日中にUV対策が発動せず日焼けしやすくなるという研究報告もあります。 

 

UVと体内時計

 

夜間に皮膚の修復が行われ、日中はバリアすると書きましたが、これらの機能はざんねんながら加齢とともに低下します。夜間に肌の修復が十分に行えずダメージが蓄積され、昼間のバリア強度も下がってしまうというダブルパンチです。 

 

すこしでも夜間の修復機能を高めるために、きれいに顔を洗い、保湿剤や機能クリームを塗ってからお休みになってください。若い方であっても、夜間のほうが皮膚からの水分蒸散量は多くなり、乾燥しやすいのです。逆に言うと保湿剤や美容成分が透過しやすい時間帯でもあります。DNAを修復する酵素配合をうたった美容クリームなどを塗るとよりよいですね。そしてもちろん日中は、しっかり日焼け止めを塗り、そもそものダメージを防いで、夜に修復しなければいけない被害を最小限にしましょう。

 

AOHALエバンジェリスト 小柳えりこ

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