アオハル式日焼け止めの塗り方の極意
正しいスキンケアの伝道に燃えるナースの匠・岡田みどり(通称 どり姐)とともにお伝えします!
正しい日焼け止めの使い方
肌が老化する原因の8割は紫外線とも言われるほど、紫外線は肌の大敵。年令を重ねると気になるシミも、紫外線が大きな原因です。美容皮膚科のアオハルクリニックでも、シミに悩んで来院される方はたくさんいらっしゃいます。シミ治療は美容皮膚科では人気の施術ですが、せっかく治療してもシミが再発してしまう方もいます。
それは、スキンケアのやり方が間違っているから。特に日焼け止めの使い方が間違っていると、紫外線の影響を受けて肌の老化が進み、シミが再びできてしまいます。
日焼け止めを正しく使えば、紫外線の影響を最小限に抑えることができます。40代、50代以降の方から「もう今さら正しいケアをしても、手遅れなのでは?」と言われることもありますが、始めるのは今からでも決して遅くありません!!(力説)
今から始めれば、5年後、10年後の肌が確実に変わってきます。正しい日焼け止めの使い方を学んで、実践してくださいね。
1.お悩み別日焼け止めの塗り方
まずお伝えしたいのは、日焼け止めに限らず、スキンケアで重要なことは「こすらない」ことです。スキンケアアイテムを肌に塗る時、手で顔を「こすって」しまうと、そこに摩擦が起きます。この摩擦は、シミ、くすみ、赤みなどの原因になります!
1回ごとの摩擦はわずかでも、毎日数回、肌をこすり続けていると、摩擦によるダメージが蓄積されていき、恐ろしいことに…これを読んでくださった本日、たった今から、こすらないスキンケアをスタートしましょう。
では、具体的な日焼け止めの塗り方を、お悩み別に解説します。
1−1. 日焼け止めを塗っているのに、くすみ・肝斑・赤ら顔が気になる方
「ラッピング塗り」
いつも日焼け止めは塗っているけど、全体的に肌がくすんでいるような気がするし、うっすらと頬全体にシミっぽいものが広がっている気がする。そんな方にオススメの日焼け止めの塗り方です。
まず、日焼け止めの量は、手のひらにリキッドタイプなら1円玉大、チューブタイプならパール大の量が必要です。十分な量の日焼け止めを手に取ったら、まずは両手に均一に広げます。
手に広げた日焼け止めを、肌に押さえつけるようにして塗り、なじませていきます。イメージとしては、手で顔をやさしく押すことで、手の日焼け止めを顔にラッピングするような気持ちで移していきます。
おでこ、ほお、あご、と、徐々に手をずらして顔全体の肌を押さえます。これを美容用語では、ハンドプレスと言いますね。鼻周りなど、デコボコしている部分は、指でプレスしてなじませていきましょう。「こすらないように、こすらないように」と意識することを忘れずに!
これを1回目と同じ量の日焼け止めを使い、もう1度繰り返します。
外出時は、この後に下地やファンデーションを塗ることになると思いますが、その際もできるだけこすらないことを意識しましょう。肌の表面に乗せていくイメージです。デコボコしている部分はやさしくタッピングするようにすると、摩擦を起こすことなくなじませることができます(ファンデーションの正しい塗り方は、別章で詳しく解説します!)。
1−2.年齢を重ねてからのシミ(老人性色素斑)、若い頃からのソバカス(雀卵斑)が気になる方
「ポイント強化塗り」
年齢を重ねてから目立つようになったシミを「老人性色素斑」と呼びます。「老人性」と聞くと、ドキッとしてしまいますが、年齢を重ねて肌のターンオーバーが遅くなったり、紫外線の影響で光老化が進んだりしたことによりできるシミなので、「老人性」という名前がつけられています。
シミやソバカスは、どちらもメラニン色素が肌に蓄積したもので、周囲の肌色に比べて濃い色をしています。ポツポツと局地的にできてしまったシミやソバカスが気になる方に、オススメの塗り方です。
シミやそばかすがよくできるポイント(好発部位)は、こめかみ、頬骨のトップ、頬の外側縁、まぶたです。日焼け止めを指先にリキッドタイプなら1円玉大、チューブタイプならパール大を出し、よくできるポイントに点々と乗せて、やさしく塗り伸ばします。特に皮膚が薄いまぶたなど目の周りはなでるように伸ばし、こすらないことを心がけてください!
さらに皮脂で日焼け止めが流れやすいおでこ、鼻、あごにも点々と乗せて塗り伸ばします。
これを1回目と同じ量の日焼け止めを使い、もう1度繰り返します。最後にハンドプレスでやさしく押さえてあげましょう。
この塗り方は、毛穴の開きが気になっている方にもオススメします。実は紫外線は毛穴にも影響を与え、毛穴の開きやたるみの原因にもなっています。
2回繰り返して塗ることで、シミにも毛穴の開きにも効果がある「ダブルカバー塗り」で、紫外線をしっかりブロックしましょう。
<まとめ> アオハル式日焼け止めの塗り方のポイント ●摩擦は美肌の大敵、塗るときは「こすらない」。 ●全体的なくすみ、肝斑が気になる人は「ラッピング塗り」。手に広げてから、顔の肌に押し込むようになじませる。 ●局地的なシミ、ソバカスがきになる人は「ポイント強化塗り」。2回繰り返して塗ることで、毛穴の開きもカバー。 |
2.日焼け止めの選び方
日焼け止めは、紫外線の「UV-B(※1)」に対する防止効果を表すSPF値は、高いほど防止力が高まります。また、紫外線の「UV-A(※2)」に対する防止効果を表すPAは、「+」の数が多いほど防止力が高まります。紫外線が強くなる5月から夏の間は、「SPF50以上、PA++++」の効果が高い日焼け止めで、しっかり紫外線を防御することをおすすめします。
また、日焼け止めにはクリームタイプ、乳液タイプ、ジェルタイプなどいろいろありますが、肌に直接塗るタイプを使うことを基本としてください。スプレータイプは必要量の2割程度しか肌に塗れていないという実験レポートもあるので、これ1本で紫外線対策をするのはおすすめできません。外出した時などにプラスアルファで使ってくださいね。
使用感や保湿力は好みに合わせて選んでください。夏はサッパリタイプ、冬はしっとりタイプと、季節ごとに使い分けることもおすすめです。
※1:「UV-B」肌を黒くする紫外線。メラニン色素をつくる色素細胞(メラノサイト)を刺激し、メラニンが生成されて色素沈着(シミ)が起こります。
※2:「UV-A」肌に炎症を起こさせる紫外線。日焼けをすると、肌がヒリヒリしたり赤くなったりする原因です。肌に炎症が起きると、シミなどができやすくなります。
3.日焼け止めの使用量
塗り方の解説で「1回の日焼け止め使用量はリキッドタイプなら1円玉大、チューブタイプならパール大」で、これを2回繰り返すとお話しました。おそらく、多くの方が「日焼け止めをこんなに使うの!?」と驚かれたと思います。そうなんです、実はこの日焼け止めの量が少なすぎる人が多いのです!!ここ、すごく大事なポイントです。
日焼け止めのトータル使用量は、リキッドタイプなら1円玉大を2枚分、チューブタイプならパール大を2個分、ということになります。これはどの日焼け止めでも同じです。「日本化粧品工業連合会」が、「SPFを測定する時の規定量」と定めている量なので、どの商品もこの量をお肌に塗って、SPF値を測定しています。この量を使ったことを前提として、どのくらい日焼けに効果があるか確かめているのだから、しっかり量を使わないと意味がない!ということになります。
どんなに高性能の日焼け止めを使っても、ほとんどの方は使用量が少なすぎて、日焼け止めの性能を十分に活かしきれていないのです。
また、日焼け止め効果のある下地を使っているから紫外線対策は大丈夫、と思っている方も要注意です。化粧下地のパッケージに記載されているSPF値、PAも、日本化粧品工業連合会が定めた量を塗って測定されています。
ということは…下地も日焼け止めと同じ量を塗らないと、記載されている紫外線防止の能力を発揮できません。でも、下地をそんなに塗ったら、多すぎてヨレてしまう!だから、どうしても少ない量を塗らざるを得ません。
そう考えると、下地の前には日焼け止めを塗ることをおすすめします。もちろん、下地効果がありつつ、十分な量を塗ってもヨレないような日焼け止めならばOKです。
<まとめ> アオハル式日焼け止めの選び方と量のポイント ●紫外線が強くなる5月から夏の間は、「SPF50以上、PA++++」の効果が高い日焼け止めで、しっかり紫外線を防御。 ●日焼け止めの使用量は、1回の日焼け止め使用量はリキッドタイプなら1円玉大、チューブタイプならパール大で、これを2回繰り返す。少なすぎると、日焼け止めの能力が発揮できない! ●日焼け止め効果のある化粧下地も同じ量が必要。ヨレるなら、十分な量の日焼け止めの後に適量を使う。 |